
===calvary=== |
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Emir Kramsky
▼AGE:22
▼HEIGHT:168cm
▼WEIGHT:55kg
▼Default Wanzer:Drake M2C
▼Default Weapon:Missile
武村アリサ(Aliciana Kramsky)
AGE:19▼
HEIGHT:160cm▼
WEIGHT:49kg▼
Default Wanzer:Meledine M2▼
Default Weapon:Missile▼ |
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運命の姉妹。イマジナリー・ナンバー。金放射線という禁断の技術は、二人の過去と遺伝子に神の指先で刻まれている。
面白いのは、エマを含めて登場するすべてのイマジナリーナンバー、およびリアルナンバー(リュウ)が精神的外傷に苦しむ人間独特の問題行動を見せるにも関わらず、アリサはあくまで安定しているという事である。彼女よりむしろ和輝の方がストレス性の症状をかいま見せている。通常、9歳程度で家族から引き離された子供は妄想や不安の症状を見せるものなのだが、アリサに関してはせいぜい懐かしい日々を夢に見る程度なのだ。事件直後にすぐ頼りがいのある保護者を見つけた場合、この手の症状は比較的出にくくなる。武村家の両親が彼女を温かく迎え入れ、立派な養父母の役割を果たしたことは想像に難くない。ひょっとすると、そのせいで和輝の方は多少愛情不足になってしまったのかも知れないが。
逆に、エマの行動の端々には明らかなトラウマの影が見える。彼女の冷静さは、冷静と言うよりはもはや鬱に近い感じがする。それに中盤から後半にかけての焦燥感は紛れもなく不安から来る精神不安定の症状である。アリサと違い、エマはラーヴヌイを脱出する際に両親を失い、代わりの保護者を得られなかった。USNは彼女の知性を利用したかっただけであり、一人の子供としては捉えなかったからだ。それ故に彼女はまっとうに成熟する事ができなかった。十代前半の子供は強烈なストレスに晒されると、しばしば現実的な不安を想像してそれに怯え、そのあまりに衝動的に危険な行動をとることもある。落ち着いているのは大人びているからではなく、自我を押し流しかねない感情を殺しているためである。
デフォルトの顔絵ではもっとも魔的な雰囲気のあるアリサは、おそらく最強のイマジナリー・ナンバーではないだろうか。それは単にその遺伝子ゆえではなく、成熟した人格を持つたった一人のイマジナリー・ナンバーだからである。健全な肉体に健全な精神の宿れかし、とローマ人は言った。かかる謙虚な望みは彼女に於いてしか達成されなかったのである。しかし残念ながら、神に愛されるものは早死にすることもローマ人のよく知る通りである。
一方不安定なエマの精神をつなぎ止める役割を果たすのが和輝である。理想的な大人とは言えないとはいえ、彼はロールモデルとして十分に強固な自己を持っている。エマのアイデンティティの再構成には願ってもない核ではなかっただろうか。
vivace---caprice---calvary---patriot---foyer---numberless
Diachronic structure
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