
===patriot=== |
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Dennis Vicarth
▼AGE:35
▼HEIGHT:180cm
▼WEIGHT:75kg
▼Default Wanzer:Rekson
▼Default Weapon:Rifle
Mayer Edward
AGE:28▼
HEIGHT:176cm▼
WEIGHT:65kg▼
Default Wanzer:Enyo Mk.108▼
Default Weapon:Missile▼ |
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歴史の影で暗躍する機密工作員。つまりスパイ。任務のためにはダーティワークにも手を染める。だがこの二人には決定的な違いがある。デニスは国への忠誠と義務を心のよりどころにしており、メイヤーは自分の意志で行動を起こすという点である。だからこそ仲間を見捨てろとの命令を受けてデニスは動揺するが、メイヤーはいとも簡単に命令を無視してのけるのだ。
祖国への忠誠に貫かれたデニスの行動は常に任務が優先。セリフや仕草にもそこはかとない血筋の良さが現れているが、彼はおそらく典型的な中産階級の出身なのではないか。自分を取り巻く社会、国や制度、イデオロギーに対し、何らの疑問も抱いたことがないに違いない。温室育ちというと言葉が過ぎるが、安穏と成長して大きな失敗や挫折もなくここまでたどり着いた感がある。理想の盲信という点で、彼はある意味和輝と同じである。むろんデニスの方がやや人当たりが柔らかいが。
だがエマ編のストーリー中で、彼は度重なる試練に直面する。上司であり、有能という点から理想像であっただろうルカーヴの裏切り。旧友ウェイとの確執。そして生まれてからこれまで忠誠を捧げてきた祖国の心変わりである。真に有能な、有能なだけのエージェントならこれらの試練にも動揺することなく、淡々と職務を全うしただろう(おそらくルカーヴならそうするに違いない)。だが最後にして最大の試練はついに彼自身のなかに芽生えていた疑問を表に噴出させた。これまで信じてきた理想は正しいのか。祖国のためになら罪を犯し、友の血を流すことも許されるのか。
デニスにそれを問われたら、ノーと即答するであろう人物は二人登場する。一人はウェイであり、もう一人がメイヤーである。彼女にとっても戦いは祖国の利益のためだが、それは他人から与えられたなにものかではない。彼女自身の過去・記憶、思い出が呼び起こす愛情こそが、メイヤーにとっての愛国心なのだ。それが国、つまり政府の利益と一致する限り、彼女は国のために戦う。だがもしもその感情にそぐわないものを求められれば、政府や上官の命令など歯牙にもかけない。日本人の母とオーストラリア人の父の間に生まれたメイヤーは、幼い頃から既製のアイデンティティに馴染めなかったはずだ。二つの祖国、二つのアイデンティティの間で揺れ動くうちに、彼女は強固な自分自身を確立したに違いない。
単なるわがままではない。自分のためではなく、他人に従うのでもなく、自分に取って大切な何かの、誰かのために力を尽くす。それがメイヤーにとっての「愛」である。だからこそ、彼女はリュウのバールに対する忠誠心を否定しない。デニスもまたリュウと同様、自分の愛するものと与えられ・信じてきたものとが対立する状況に置かれて選択を強いられる。そして初めて、それまで理解できなかったウェイの行動を理解し、彼の助けで自分自身を見いだすことになる。任務のためではなく、自分の愛する仲間達のために力を尽くすことを知るのだ。
vivace---caprice---calvary---patriot---foyer---numberless
Diachronic structure
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